フランキンセンスの飲用ががんに効果があるという記事について

フランキンセンスとがんの関連をお伝えする前に以下の記事について、まずはがん患者家族としての意見をお伝えしたいと思います。

 
有名人のがん公表に反応 それは本当に「善意」なのか 朝日オンラインより

ちなみにこちらの記事を書いた大野智先生は夏に3日間開催されている日本臨床腫瘍学術集会で講師をされており、私は3回ほど統合医療についてのお話を聞いております。

過去の記事についてはこちら→
第15回日本臨床腫瘍学会学術集会「患者・家族向けプログラム」参加

本題です。
 
記事の中の▼代替療法を勧めることは、善意でもときに暴力的な行為であること


すごくよくわかります!

自分自身に罹患→寛解の経験がないのに無責任にいろんなものを勧めてくる方が多いです。
 
本当に患者本人も家族も日々藁をもすがる思いなので、少しでも良くなればと思えば飛びついてしまいます。

ウチは父、母、そして夫とそれぞれ違ったパターンを経験しています。
 

父 2013年直腸がんステージⅣ→手術→治療はせずに定期検診のみ→2018年完全寛解 働きながら一人暮らしをしている
母 2016年肺がんステージⅣ→発見から約2ヶ月半後死去
夫 2017年肺がんステージⅢ→手術→抗がん治療→副作用がひどく自主的に辞めた。現在は定期検査しているが発症していない。
 

父が治療せずに完全寛解したからと言って、夫に同じことを押し付けることはしないですし、できないです。
 
夫からは聞かれましたので、情報は提供し、私だったらという仮定では伝えました。
 
でも決めるのはあくまでも本人です。
 

善意かつ無責任な発言によって標準治療を拒否した結果、思ったような効果が得られなかった場合、どうするんだろうっていつも思います。
 

本人は全く悪意がなく善意から教えてあげなきゃ的な感じでやっているためさらに厄介…
 
そして、この善意が強ければ強いほどより強いプレッシャーがかかります。
 

そして苦悩するのは、患者とその家族です。
 

まだ、ネットに情報が転がっているのを見つけるというのなら自分で選択できるからまだマシです。

 

でも、親戚などや身近な人が実際にこうした方がいいああした方がいいと直接言ってくる場合は振り回されてしまいます。
 
 

情報弱者でしたら、鵜呑みにして治療方針でやれセカンドオピニオンだの何なのって右往左往しているうちに進行性のがんでしたら結果的に手遅れになったりするケースもあるんじゃないかなって思います。
 
 

私の仕事でもあるアロマやハーブも補完代替医療の一つとなっております。

ご興味のある方はこちらでご確認下さい。
ちなみに先ほどの大野先生はこちらのサイトにも参加されています。

厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』「統合医療」情報発信サイト

自分が勉強した上で専門家に意見を求めるのなら良いのですが…

医師も自分が担当でもないのにこうしたほうが良かったんじゃないかとかそんな話をアップする方が多いんですけど。
 
そんなのその時にならないと誰もわからないって思うんですよね。
 
そして専門家でもない人に限って軽く「効く」とか「治る」とかって言ってくれちゃう。
 
その言葉の重みを知らないからこそ言えるのかなって思います。
 
そして、その一言でどれだけ患者や家族が時間を費やし、悩むか知りもしない。
 
知るわけないか
 
親切だって思ってやっているんだから。

 

アロマやハーブ関係者の中には、天然神話信者が多いのも事実。

まるで宗教のようで、天然だから自然由来だから安心だという根拠のない思い込みをされている方が多いです。
 

中にはフランキンセンス精油を飲用するとがんが治るとか…。
それも水に薄めてだって(大笑)
 

そもそも精油を水に薄めるという薄めるという言葉自体が成り立たないんですけど。

精油は水に溶けないので、たとえ水と一緒に飲んでも原液飲んでいるのと一緒。

無知すぎて呆れます。
 
以前も似たようなことでお伝えしてます。
 
参考までに

精油の原液塗布と内服について
 
精油をアロマオイルというアロマテラピーインストラクター
 
メディカルアロマについて
 

愚痴みたいになってしまいましたが…(・_・;

ちなみに私の友人は私の性格をよく熟知しているため、情報をたくさん持っていてもあまり私には言わないですね。
 
その距離感がとても有り難く、そんなことを察知できるのも大切な友達だからこそなのかもしれません。

フランキンセンスの飲用ががんに効果があるという記事が出回っているということについて

 

一応調べてみたところ、以下の文献が見つかりました。
公開特許公報(A)_炎症促進性マーカー下方調節用組成物 2007/06/12号

◆注目の臨床試験「脳腫瘍に対する食事療法+漢方薬」 2008/04/15号

◆注目の臨床試験「脳腫瘍に対する漢方療法」

今までボスウェリア酸は、ステロイド剤の投与で阻害される私たちの体内にある酵素5-リポキシゲナーゼを同様に阻害する作用があることから、フランキンセンス精油にはステロイド並みの抗炎症作用があると言われ続けてきました。 つまり、酵素5-リポキシゲナーゼはアラキドン酸と反応し、ロイコトリエンを生成する。



※ロイコトリエンとは 白血球遊走促進作用や気管支収縮作用がある。気管支喘息(ぜんそく)の原因物質で 喘息発作やアナフィラキシー抗原抗体反応が引き金となって起こる激しい過敏反応)を司る物質として発見された一群の生理活性物質。アラキドン酸などの炭素数20の多価不飽和脂肪酸から生合成される点でプロスタグランジンと共通するが,炭素骨格はかなり異なる。さまざまなサブタイプが知られ,多くは気管支や肺末梢気道の収縮活性,白血球活性化などの作用をもつ。心筋梗塞との関連も注目されている。 以上コトバンクより


つまりボスウェリア酸は抗ロイコトリエン作用があるということでしたが、この説が危ぶまれています。

なんとボスウェリア酸はフランキンセンスの樹脂にのみ含まれるもので、エッセンシャルオイルや芳香蒸留水には一切含まれません。

ボスウェリア酸はトリテルペン類に属し、分子量が456以上にものぼり、自然状態では蒸散することがない固体としてフランキンセンス樹脂中に存在するそうで、もし含まれていたとしたら偽和が疑われるとのこと。

そして、ロバート・ティスランド氏も次のような指摘をしています。

 

……ボスウェリア酸は分子が重すぎて揮発性成分にならないため、エッセンシャルオイルに含まれることはない。ボスウェリア酸の分子量は450〜500である。揮発性の分子で、分子量が300を上回るものはない。

ということは… ボスウェリア酸が含まれていないため、フランキンセンス精油がガンを治すというような主張は通らないことになります。
この主張しているマルチ系の方々SNSに多いですね。
マルチ系の方々のお話はよくよく聞いていると、ご自身の体験というよりも人から聞いたお話をよく調べずに鵜呑みで他人に伝えることが多いので無責任だと私は思っています。
人に伝えるならもっとよく調べろよ💢って。
そしてどんどん伝言ゲームのように曲解されて伝わっていることが多いように思います。
実際に試された方はスターのように扱われていろんなところで講演をしたりするわけですが…

もともと人間は自分の都合の良い解釈をするので、元の情報とは乖離する傾向があるのです。
そして、フランキンセンス精油にはいくつか種類があります。
Boswellia sacraには有毒なトルエンが微量含まれているということが学術的に発表されており、 注意が必要です。
実は歴史的にも有名な乳香は、オマーン産のこのBoswellia sacraなんです…
友人たちと行ったオマーン大使館で手にはそれぞれ香炉と乳香が。

実際にオマーンではフランキンセンス樹脂を食べます。

以前、ほんの小さな粒を口に入れた後、飲み込めなくて苦労した覚えがあります。 そして、別のオマーン大使館のイベントでフランキンセンス精油入りのキャンディーが販売されて試食したのですが… 一緒に行った人でこれを食べた人全員お腹をこわしました。

日本人の内臓には合わないのかもしれません…

話を元に戻します。

香りの影響でストレスが緩和されたことによりホメオスタシスが整い、結果的に自己治癒力が向上した結果、良い方向に向かうというのなら納得できます。

私は家族だけでなく、仕事でもがん患者さんに関わる立ち位置にいます。

無責任な発言はできませんし、病院に入るスタッフの人間性や教育にはとても気を遣うのです。

最後までお読み下さり、どうもありがとうございました。


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