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はじめに
新車に乗り込んだ時の、あの独特な香り。「新しさ」を感じさせてくれる特別な匂いですが、実はその正体は私たちの健康に影響を与える可能性のある化学物質の組み合わせであることをご存知でしょうか?
今回は、アロマテラピーの観点から新車の香りの正体を解明し、天然の香りとの違い、そして安全で心身に優しい香りの楽しみ方をご紹介します。
新車の香りの正体とは?
化学物質の複雑な混合物
新車の匂いの正体は複数の揮発性有機化合物(VOCs)であり、内装の接着などに使っている接着剤や塗料、プラスチックに含まれる揮発性有機化合物が混じりあったものです。
具体的には、以下のような化学物質が含まれています:
- トルエン
- エチルベンゼン
- スチレン
- キシレン
- その他50~200種類もの化学物質
主に内装に使われる接着剤やゴム材、シートに使われているウレタン素材など様々ものから発される匂いが混合しているのが新車の香りの実態なのです。
健康への影響とシックハウス症候群との関連
化学物質過敏症の人は身体の不調を訴えたり、シックハウス症候群に似た頭痛などの症状が出ることもあると報告されています。
主な症状:
- 目の刺激やチカチカ感
- 頭痛やめまい
- 吐き気
- のどの渇きや異常感
- 疲労感
高気密・高断熱化により、部屋などのすき間がなくなり、部屋の中は化学物質が充満しているのと同様に、車内という密閉空間では、これらの化学物質の濃度が高くなりやすいのです。
VOC(揮発性有機化合物)について詳しく知ろう
VOCとは何か?
揮発性有機化合物のことをVOC(Volatile Organic Compounds)の略称で呼びます。蒸発しやすく(揮発性といいます)、大気中で気体となる有機化合物(化学物質)の総称です。
シックハウス症候群の原因と考えられる化学物質には、「ホルムアルデヒド」「揮発性有機化合物(VOC)」などです。これらの化学物質の発生源は接着剤、防腐剤、塗料等で、呼吸器障害、中枢神経障害、はきけ、頭痛、めまいなどの症状の原因となり、発ガン性があるともいわれています。
VOCの身近な発生源
私たちの生活には想像以上に多くのVOCが存在しています:
- 建材(接着剤、塗料、防腐剤)
- 家具(合板、ウレタン)
- 日用品(洗剤、化粧品)
- 芳香剤や香水
- 新車の内装材
天然精油(エッセンシャルオイル)との決定的な違い
天然の香りは実はVOCでもある
植物から発生してくる香り成分などの気体の化学物質もVOCです。
森に入った時の独特の香り、いわゆる森林浴の効果もVOCによるものです。
しかし、ここに重要な違いがあります。
合成化学物質vs天然成分の違い
合成VOC(新車の香りなど):
- 人工的に作られた化学物質
- 単一または限定的な成分
- 人体への悪影響が報告されている
- 長期間残存する可能性
天然VOC(精油の香り):
- 植物の花、葉、果皮、果実、心材、根、種子、樹皮、樹脂などから抽出した天然の素材で、有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質
- 1本の精油に含まれている成分は数十~百数十種類、ラベンダーやベルガモットなどは数百種類にも及びます。
- 100%天然精油はやさしく香るうえ、人間の五感に心地よく作用し、様々な植物の薬理効果を取り入れることができます。
とはいえ、天然だからと言って安全とも限りません!
アロマテラピーで安全に香りを楽しむ方法
1. 正しい精油の選び方
原材料に「ポプリ」「アロマオイル」などと記載されていても、天然香料ではなく合成香料の可能性があるので要注意。アロマテラピーに使用する精油は、「精油」「エッセンシャルオイル」と記載されているものを選びましょう。
実はこれも精油が雑貨であるため、表示に義務はなく、ダイソーのアロマオイルが芳香精油として販売されています。

チェックポイント:
- ラベルに「精油」または「エッセンシャルオイル」と明記
※原材料と表示してあったら合成オイルです。例として界面活性剤、香料、アルコールなどの表示になっています。 - 植物の学名が記載されている
- 抽出方法が明記されている
- 原産国が明記されている
- 適正な価格帯(精油の価値から考えて100円では購入できません)
2. 車内での安全な香りの楽しみ方
新車の化学物質の香りが気になる場合は:
即効性のある対策:
- 頻繁な換気(窓を開けての走行)
- 活性炭やゼオライトなどの天然吸着材の使用
- 人工芳香剤の使用は避ける
アロマテラピーでの対策:
- 車用ディフューザーで天然精油を使用
- ティッシュに1-2滴垂らして香りを楽しむ
- 車内に置くサシェに天然精油を染み込ませる
3. おすすめの精油
リフレッシュ系:
- ペパーミント:集中力向上、眠気覚まし
- ユーカリ:呼吸器系のケア、抗菌作用
- レモン:気分転換、集中力アップ
リラックス系:
- ラベンダー:ストレス軽減、リラックス
- ベルガモット:不安軽減、気分安定
- ゼラニウム:ホルモンバランス調整
アロマテラピーの健康への恩恵
科学的に証明された効果
天然香料を嗅ぐことで、心身の不調を緩和してくれます。鼻から吸収したアロマの芳香成分が自律神経やホルモンバランスを司る視床下部に直接働きかけることで、心身のバランスが整い、気持ちを落ち着かせたり身体機能を高める効果が期待できるのです。
期待できる効果
- ストレス軽減
- 集中力向上
- 免疫力サポート
- 呼吸器系のケア
- ホルモンバランスの調整
- 抗菌・抗ウイルス作用
まとめ:安全で健康的な香りのある生活を
新車の香りに代表される合成化学物質の香りは、一時的な満足感を与えてくれるかもしれませんが、長期的には私たちの健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
一方、適切に選ばれた天然精油は、同じ揮発性有機化合物でありながら、私たちの心身に優しく働きかけ、健康をサポートしてくれます。
アロマテラピーで実現できること:
- 化学物質への依存からの脱却
- 自然な方法での心身のケア
- 持続可能で環境に優しい生活
- より深い香りの体験と理解
私たちアロマスクールでは、このような正しい知識と技術をお伝えし、皆様がより安全で豊かな香りのある生活を送れるようサポートしています。
興味を持たれた方は、ぜひ一度体験レッスンにお越しください。本物の天然精油の香りと、その素晴らしい効果を実際に体感していただけます。
参考文献:
- 厚生労働省 シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会資料
- 環境省 揮発性有機化合物(VOC)対策
- 日本アロマ環境協会 精油の安全性ガイドライン
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